明らかに風邪の症状の方が「早くなおりたいから抗生物質をください」という方がいます。果たしてそうでしょうか?抗生物質は、病原体のうち「細菌」に効果があります。細菌の構造に作用し分裂増殖を妨げるのです。しかし風邪の原因のほとんどは各種の「ウイルス」です。
ウイルスには抗生物質が作用する構造がないため、効かないのです。ウイルス感染が悪化すると引き続いて細菌感染が起こったり、原因がウイルスかどうかわからないときに抗生物質を使いますが、明らかに風邪のときは控えます。
むやみに抗生物質をつかうと、菌が耐性を獲得し効かなくなってしまったり、菌交代現象といって普段存在する無害な菌のバランスが崩れ真菌(カビ)が出現したりします。特に耐性菌の出現は深刻で、病状が重症化したり院内感染などの問題を引き起こしたりしており、抗生物質の乱用が原因といわれています。
抗生物質は、症状や経過や患者さんの状態などを勘案して処方しております。自己判断で余ってる薬を中途半端に内服したり中断したり、安易に使わないよう注意しましょう。
リベルタ 2010年1月号 掲載