医療法人ERC 海老名呼吸器科クリニック Ebina Respiratory Clinic

読みぐすり

インフルエンザ対策について

インフルエンザの流行が始まっています。インフルエンザにかかった場合の注意点を述べたいと思いますので、治療や休養等の参考にしてください。

1. インフルエンザとは

他の風邪と同様ウイルス性の感染症ですが、他の風邪とは異なり、急激に高熱(通常38度以上)や関節痛が出現し、倦怠感やのどの痛み、頭痛などの症状が強く出ることが特徴です。また脳炎やウイルス性肺炎などの合併症の可能性が高い事も特徴で、妊婦や乳幼児、ご高齢や慢性の呼吸・心臓・腎臓疾患のある方は死亡率もたかくなります。

潜伏期は1、2日と短く感染力が強いため、短期間に大勢に感染が広がるという特徴があります。予防にはうがいと手洗い、ワクチンですが、ワクチン接種をした方も感染する可能性はあります(その際軽症で済むことが多いようです)。

 

2.治療は?

 治療薬はタミフル(飲み薬)リレンザ(吸入薬)、イナビル(吸入薬)などウイルスの増殖を抑える薬が開発されていますが、タミフルは未成年者においては異常行動などの副作用の可能性が指摘されており使用は勧められません(成人は問題ないとされています)。

リレンザは効果はタミフルと同等ですが、手技に手間がかかります。イナビルは1回だけの吸入で済む、簡便な薬です。

 これらに加え症状に応じて解熱剤や咳止め、漢方薬等を併用します。

 薬を使うと、23日で症状はとれて楽になりますが、抗インフルエンザ薬は必ず決められた用量を使い切ってください。熱が下がってもウイルスは体内に残っており、薬剤を続けて増殖を抑える必要があるので症状がとれても途中でやめてはいけません。

 やめた場合、感染がぶり返して重症化するリスクがあります。

 

3.生活上の注意は?

 薬を内服したからといって万全ではありません。基本は「安静」「療養」です。仕事や学校は必ず休み、外出等も避け、自宅でゆっくり療養してください。

体を冷やさず、汗をかいたらこまめに着替え、高熱のときは横になって休みましょう。発熱時は思いのほか水分が失われるので、水分補給は忘れないようにしましょう。食事は刺激物を避け、消化の良く栄養価の高いものにしましょう。アルコールや喫煙は禁止です。お風呂は高熱で体力が落ちているときは無理に入る必要はありませんが、ある程度体が楽になったら微熱程度なら清潔を保つためには入ったほうが良いでしょう。但し湯冷めをしないように注意してください。

 他の家族の人とは可能であれば距離をとってください。寝室は別にしましょう。室内でもマスクをしましょう。特に小さなお子様や妊婦、ご高齢の方にうつさないよう配慮は必要です。感染した方のご家族も発症をしていない段階でタミフルやリレンザを使うと感染を予防できますが、予防的投与は保険がきかず自費診療となってしまいますのでご注意ください。

 

 

4.いつから仕事や学校に行ってよい?

 発症後1週間は、熱等の症状が無くなっても、ウイルスの排出が続いていますので、それまでは自宅安静です。無理をして仕事や学校へいっても、周囲に感染を広める危険があります。海老名市内の公立小中学校では、病院からの診断書は必要なく保護者の方が記入する書式がありますので各学校にご確認下さい。それ以外の方で診断書が必要な方は当日でも後日でも構いませんので申し出てください。

 

5.インフルエンザ治療薬は、他の薬と一緒に飲んでもよい?

 インフルエンザ治療薬は他剤との同時併用は大きな副作用の報告はありません。しかし吐き気や鼻血、異常行動などは報告がありますので「おかしかな?」と思ったら服用を中止し、ご相談下さい。

 昔はタミフル等は無く、インフルエンザにかかったら1〜2週間、寝込んで安静をとって治すというのが治療方法でした。まだ日本以外の世界各国では、積極的に抗インフルエンザ薬は使わないというところもあります。ですので、薬を過信したりせずしっかりと体を休めるようにしましょう。

 

6.妊婦や授乳中の方でも使ってもよい?

 タミフルは妊婦さんに対する臨床試験が行われ安全性が確認されていますし、吸入薬のリレンザも同様と考えられています。特に新型インフルエンザの時は妊婦さんの死亡率が高かったので、あまり心配せず使っても良いと考えます。

 またどんな薬剤でも、微量ながら母乳へ移行はします。しかしお母さんがインフルエンザ感染し、長引くと赤ちゃんのお世話の問題もあり、授乳中だから薬を使わないのはあまりいい選択ではありません。ご心配なら授乳を止めるか、薬と授乳のタイミングをずらすなどして使っていただきたいと思います。