医療法人ERC 海老名呼吸器科クリニック Ebina Respiratory Clinic

病気のはなし

COPD(慢性閉塞性肺疾患)

copd.jpg COPDとは、『有毒粒子やガスを吸入することで生じた、肺の炎症反応に基づく進行性の気流(空気の流れ)制限を呈する疾患』と定義されています。以前は肺気腫慢性気管支炎と言われていましたが、近年はCOPDという呼び方が定着しつつあります。
 
 たばこなどの有毒ガスの影響で細い気管支の壁が厚くなって、慢性的に気管の炎症が起こっている状態(慢性気管支炎)や、肺の一番末端の肺胞という小さな小部屋が破壊されてしまう状態(肺気腫)です。慢性に気管に炎症が起こっているので、常に咳が出たり痰がからんだりしますし、息切れがでて少しずつ強くなったりします。
 当初はやたら風邪が長引くな、とか、息が切れるのは年や運動不足のせいだろうと思われていて、徐々に症状が強くなるため受診する方が大半です。
 原因の殆どが喫煙によるもので、50代以降で喫煙歴のある方でせきや痰が長引く場合は、まずこの病気を疑うべきでしょう。
 COPDは、喫煙人口の増加につれ死亡数も年々増加傾向にあり2000年の統計で初めて死亡原因の10位に入りました。最近は社会的風潮でタバコをやめる人も増えてきていますが、特に若い女性の喫煙が増えていますので、将来的に女性のCOPDが増えると予想されています。
診断はレントゲン所見やスパイロメトリー(肺活量検査)などでつきます。重症度も何段階かに分かれていますが、いづれも最初の治療としては「禁煙」です。この病気は進行性で、一度おきた肺の破壊性変化は正常には戻りません。出来るだけ進行を遅らせ、呼吸機能を保つことが重要ですので、悪化の原因である喫煙は必ずやめなければなりません。
 初期の頃は軽い息切れや咳や痰ですので、吸入薬等で症状の緩和が出来ます。最近は症状緩和の有効性が高い、長時間作用型の抗コリン薬(商品名 スピリーバ)なども使えるようになり、以前より症状を軽くすることが出来るようになりました。
 しかしながら、COPDはゆっくりと進行しますので症状に応じて薬の種類を増やす必要が出てきたり、息切れの程度に合わせ、日常生活の制限や呼吸のリハビリを行ったりします。また栄養状態も病状に大きく左右されますので栄養管理も重要になってきます。
 さらに進行し、薬物療法だけでは症状が改善されなければ、日常的に酸素を吸入する在宅酸素療法も導入したりします。
 いずれにせよ、喫煙によって引き起こされる慢性の進行性の疾患ですから、原因となるタバコをやめ、病状に合わせた管理が必要となるのです。ですから1日でも早い禁煙が求められるでしょう。

参考文献
「COPD(慢性閉塞性肺疾患)診断と治療のためのガイドライン第2版」
 日本呼吸器学会COPDガイドライン第2版制作委員会