病気のはなし
非結核性抗酸菌症(NTM)

非結核性抗酸菌症(以下NTM)は、抗酸菌という種類に分類される菌で、抗酸菌にはそのほかに結核菌とライ菌(ハンセン氏病の原因菌)があり、それ以外の菌をNTMと総称しています。
NTMは、土壌、ほこり、水などの
自然環境に広く存在する環境寄生菌です。決して特殊な菌ではありません。ちなみに症状等が強く問題の大きい結核菌は、哺乳類の体内でのみ生存可能といわれています。
NTMは結核と似た症状・所見を呈します。
長引く咳、痰。時に血痰がでたり、疲労感が続き体重も減ってしまう。レントゲンを撮ると、結核に似たような所見があり、ときに区別がつきませんので結核かNTMで悩む場面は少なくありません。
喀痰からの検査が診断の決め手ですが、通常の顕微鏡所見では結核と区別がつかず、当初「結核では!?」と心配される場面も多々あります。PCR法という遺伝子検査で初めてNTMと診断されることが多いです。
結核と異なり、
人から人への感染は無いと考えられており、結核のように、隔離入院の措置がとられることがないのでその点は安心できます。
また結核のように肺以外の臓器障害を来たすことも少ないようです。臨床経過も結核に比べると
緩やかで長く続きます。それゆえ、いつまでもずるずると長引くことが多いです。治療は基本的に結核の薬を使うのですが、なかなか治りにくかったり、またぶり返したり、いいかなと思うと十数年後に再発することもあります。そういう意味では結核に比べ厄介かもしれません。
抗結核薬の普及により、NTMが命を脅かすということは少なくなってきていますが、それでもながくしつこい経過に悩まさせる方もいらっしゃいます。
しつこい病気ですが、気長に付き合っていく気持ちでいて頂きたいと思います。
参考文献
「呼吸器病学 総合講座」 メディカルビュー社
「結核 Up to Date」 南江堂